インタビュー

文系出身エンジニア、ナオキさんに聞く!分からない中でも学ぶコツと続けられた理由

文系出身や未経験でエンジニアになる人が年々増えてきてはいるものの、やはり分からないことだらけなのは必至。研修や業務の中で自ら学んでいくことが求められます。どうやって学んでいけば良いのか、もし嫌になってしまったらどうしたら良いのか、文系・未経験でのエンジニア職ってどんな感じなのか…。そんなヒントを、文系出身エンジニアであるナオキさんに伺いました。

開発に「マネジメント」の立場で関わるエンジニア、ナオキさん

フリーランスのエンジニアになって5年ほどになり、現在はPMO(Project Management Office)の業務をしています。PMOは企業や組織でプロジェクトを円滑に進めるために、プロジェクトの管理を行なう役割です。

「プロジェクト」とされるひとまとまりの中には、5~6個ほどの案件があるんですね。それらの個々のスケジュールを引いたり、そのスケジュールに応じた人の計画をしたり、どうやってその期限を守って進めていくかを考えたりするのがPMOの仕事です。

案件としては例えば、クレジットカードのアプリケーションシステムや、PayPayのような決済アプリシステム、電力会社の電気を利用するお客さん向けの会員申し込みサイト、飲料メーカーの出荷と仕入れの管理をするような社内システムといった開発に携わってきました。

大学ではスポーツビジネスを履修。ITに飛び込んだワケ

大学では経済経営学部に通っていて、その中でもスポーツビジネスについて学んでいました。そこからIT業界に飛び込んだのは、もともと興味があったというわけではなく、友人がきっかけだったんです。

就活が始まる当時、3月1日から就活が解禁だったんですが、実際はみんなその前からインターンに行ったりしてたんですよ。そんな中でも僕は3月1日から就活を始めて周りに遅れを取ってしまい……。就活を頑張っていた友人に話を聞いてみることにし、その中でも一番頑張っていて色々な業界を見ていた同じ文系の友人が、「これから伸びるから、IT業界に入りたい」と言ったんです。

その話を聞いた当時、ITについては全然分からなかったですし、今ほどITが身近でもない時でした。よく分からないところに飛び込むのってみんな嫌がるじゃないですか。でも、伸びる可能性のある業界なら、分からなくても飛び込んで行った方が自分にとってプラスになるだろうと感じて、IT業界に絞って就活を始めたんです。すると、意外と文系も採用している企業があり、従業員が2,000名弱ほどの大手のSIer会社から内定をもらうことができました。

つまずいた経験と勉強のコツ

入社する前はほとんど勉強しておらず、入社後の研修から本格的にITについて学び始めました。でも最初から盛大につまずきまして。

技術的なことを学ぶ前の段階、フォルダの構成の話や、プログラムを作るための環境を整えるところで全然分からなくて、同期100人の中で下から2番目の成績をとるほどでした。現場に入っても、何を言っているかほとんど分からなかったですね。

そんな中でも、なんとか業務の中で学んでいきました。結局、現場に入って学ぶことが一番身につくと思います。僕の学びのコツは、「わからないことは、とにかくその場で調べる」につきます。もしその時調べられないなら、その場でメモして後ですぐに調べること。

面倒くさがりなので後回しにしてしまいがちなのですが、そうすると、また分からないことが出てきた時に、前に分からなかったことを調べるところからのスタートになって時間がかかってしまいます。学びをその場で落とし込む意味でも、とにかくすぐに調べることが大切です。

エンジニアに向いている人とは?文系でもできる?

そもそも、「システムエンジニア」と言っても本当に幅広い仕事があって、どんな人でも適切なポジションがあると思うんです。だから、何よりも大事なのはやる気です。

でも、そんな中でもエンジニアに向いていると思うのは、プログラマーなどの開発側も、PMOなどのマネジメントをする側も一緒で、「分からないことを言語化できる人」ですね。例え全部分からない状態でも、それを一つひとつ言語化して、文面化して、人にちゃんと伝えられること。逆に、分からないことに対して教える側であれば、相手の分からないところを明確にキャッチして、分かるように伝えられること。そういうコミュニケーションができる人が向いていると思います。

また、それに関連して主体性のある人も向いていると思います。「これが分かりません」と自分から言えたり、頼まれたことが終わったら「何か次やることありますか」と聞けたり。

こうした能力は、開発、マネジメント関わらずどちらでも大切で、できるとかなり現場で重宝されます。もちろん技術は最低限必要ですが、こうした能力も持ち合わせている人って結構少なくて、逆に言えばここにチャンスがあるんですね。

だから「文系だから」「未経験だから」と思う必要はありません。実際、僕も「文系でできるのかな」と思っていた一人でした。でも、文系で飛び込む人もどんどん増えていると思いますし、本当に自分次第で活躍することは十分にできます。

「予定通りにいかない」がエンジニアの醍醐味

とにかく予定通りに行かないことがほとんどなんですが、それこそが醍醐味だと思いますね。そういう時に焦らず現状を把握して、次のアクションを考えていくことが醍醐味であり、面白さです。

それに、そういう時の手段って一つじゃないんですよ。自分も含めてみんなで話し合いながら、無数にある中のベストを見つけていくので、そのプロジェクトが上手く進むかどうかが自分にも大きく関係してくるんですね。自分次第で変えられるというのも、すごく面白いポイントだと思います。

あと、仕事を進めていく上で、どの業界でも通用する大事なスキルが身に付くところも醍醐味ですね。エンジニアは技術以外にも、プログラミングに必要な論理的な思考や、スケジュール管理をするスキル、分からないことを人に伝えるスキルが身につきます。そういう能力はどの仕事でも生かせますし、重宝されると思います。

ITのことを嫌いに。それでも続ける理由

文系でIT業界に飛び込んできて最初は何もかも分からず、ITのことを嫌にもなりました。でも、今でもこうして続けているのには大きく2つの理由があります。

まずは、収入を上げていきやすい業界であること。これはやっぱり一番大きいです。そして、自分の成長や新しい経験ができる業界であること。どんどん更新されていく業界でもあるので、仕事をする中で「仕事ができる人」になるためのスキルを磨きながら、どんどん新しい経験をすることができます。僕にはこれがすごく合っているので、今も続けられています。

だから、収入を上げたい、仕事ができるようになりたい、成長したい、といった意欲のある人は、たとえ未経験や文系でも是非挑戦してみてほしいですね。

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