日本建築学会論文集 2026年3月号(Vol.91 No.841)の掲載論文28件(構造系5・計画系20・環境系3)を、著者・概要・DOIとともにまとめました。

Contents
  1. 構造系論文
  2. 計画系論文
  3. 環境系論文
  4. 環境系論文

構造系論文

コンクリート用表面含浸材がコンクリートの表層品質および耐久性に及ぼす影響に関する研究(その1)

  • 著者: 大賀 智史,濱崎 仁
  • 概要: コンクリート構造物用表面含浸材を塗布した試験体を長期暴露し、長期性能と耐久性への影響を評価した。シリケート系は長期耐久性への寄与が限定的で、シラン系では炭酸化の観点から長期的に耐久性が低下しうる可能性が示唆された。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aijs.91.341

鋼繊維補強コンクリートを用いた矩形耐震壁のせん断耐力の評価手法

  • 著者: 村松 晃次,小河 雅広,高橋 智也,杉山 智昭,河本 慎一郎,西山 峰広
  • 概要: SFRC耐震壁の最大せん断耐力について、RC耐震壁のトラス・アーチ機構式に鋼繊維負担分を加算する評価式を提案し、既往実験・解析で妥当性を検証した。材料特性を簡略化した有限要素解析でも最大耐力の再現可能性を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aijs.91.352

上下フランジの横移動を伴うH形断面梁の弾性横座屈耐力

  • 著者: 廣嶋 哲,北岡 聡,松本 由香
  • 概要: H形鋼梁の弾性横座屈耐力を、上下フランジそれぞれの変位関数と複数フーリエ級数を用いるエネルギー法で評価する手法を提示した。荷重条件に応じた高精度な閉形式の耐力式が得られること、および有限要素座屈解析により提案式の精度を検証した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aijs.91.364

材端部に高力ボルト摩擦接合継手を有する鋼構造梁部材の構造性能

  • 著者: 中田 寛二,佐藤 良介,船積 宏彰,辻 一輝,小澤 潤治
  • 概要: 完全溶込み溶接を省略するディテールを対象に、繰返し載荷実験(6体)で構造性能と塑性変形能力を確認した。提案ディテールに適用可能な部材区分評価法を検討し、実験結果との比較で妥当性を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aijs.91.376

鋼構造隅肉溶接接合部の耐火性能評価

  • 著者: 林 真杜,尾崎 文宣
  • 概要: T字継手試験体で高温時・加熱冷却後・800℃加熱後再加熱時の引張載荷実験を実施した。得られた結果に基づき、T字隅肉溶接接合部の高温強度に関する検証方法を提案した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aijs.91.388

計画系論文

旧三井造船株式会社設計によるRC造公営住宅(1952)の建設経緯とその空間構成

  • 著者: 橋田 竜兵,森田 芳朗,熊谷 亮平,渡邊 史郎,菊地 成朋
  • 概要: 1952年建設の丸山住宅団地を対象に、公営住宅標準設計の全国的枠組みの中での成立過程と空間構成を整理した。標準型への準拠と地域の社会史的条件を反映した修正が併存することを示し、戦後初期公営住宅のローカルな展開の一例として位置づけた。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.536

木造民家を活用した高齢者通所介護施設の空間用途構成に関する研究(その2)

  • 著者: 三島 幸子,山本 幸子,細田 智久,中園 眞人
  • 概要: 「単一主室型」の通所介護施設を対象に、円滑なプログラム実施のための空間構成と家具配置を検討した。一定面積や続き間座敷の規模感が有効で、ソファが複数プログラムを支える家具として機能しうることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.544

子どもの社会的排除に対応する「支援施設」の現状

  • 著者: 小林 誠,竹宮 健司
  • 概要: アンケート(34施設)・平面分析(26施設)・3Dスキャン記録(16施設)を用いて支援施設の現状を整理した。個別空間の計画が望ましい空間構成に向けて重要であることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.556

公共施設再編計画の実施状況とその進捗を左右する要件に関する考察

  • 著者: 西野 辰哉,小菅 竣也
  • 概要: 全国自治体の公共施設削減の実施状況(〜2024)を把握し、進捗要因を検討した。オープンデータとアンケート・ヒアリングにより、約75%が削減を進められていない状況と主要因を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.565

世帯減少地域における住み家の減少と空き家化の実態

  • 著者: 縄田 諒,平田 隆行
  • 概要: 都市部では「2世帯減に対し1戸減」、農村部では「1世帯減に対し1戸減」という住宅動態の関係を示した。空き家の発生様式は共通しつつ、除却等による解消量の差が空き家率の差として表れることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.573

街路構成に着目した都市の街路形態の可視化と分析

  • 著者: 北 雄介
  • 概要: 幅員・方位差・単路長・連結長・特徴点タイプ・標高・勾配の7指標を提示し、直交グリッド街路をもつ国内20都市で分布図・配分比ヒストグラムを作成した。街路構成の特徴把握に有効であることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.583

バンコクにおける土地神祠の地域特性に関する研究

  • 著者: 境 理央,魚谷 繁礼,檀野 莉子,谷口 愛理,竹内 泰
  • 概要: バンコクの5地域を対象に、土地神祠の形態・分布・立地を比較し地域特性を整理した。祠の構成要素の比較を通じて差異を明確化し、地域コンテクストとの関係から特性を検討した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.594

都市の空間評価における知覚対象に関する研究

  • 著者: 堀 裕典,光山 尽之輔,桑田 恵伍
  • 概要: 国交省の「まちなかの居心地の良さを測る指標」を岡山市の実践例(街路・公園)で用い、評価時の知覚対象と指標の有効性を検討した。評価項目の解釈のばらつきや広場評価への偏りなど、運用上の論点を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.605

道路距離と坂道負荷を考慮したバス停配置モデル

  • 著者: 門間 智哉,吉川 徹,讃岐 亮
  • 概要: 道路距離と勾配移動負荷を考慮したバス停配置モデルを遺伝的アルゴリズムとダイクストラ法で構築した。標高の影響は高齢者分布と合わせて捉える必要があること、停留所間隔や標高が最適停留所数に強く影響しうることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.614

宿泊施設の改修におけるファシリティマネジメントの戦略と効果に関する研究

  • 著者: 米谷 春香,西野 佐弥香,金多 隆,池村 友浩
  • 概要: 3件のホテル改修事例を分析し、FM戦略が目標・課題・施策へどのように具体化されたかを整理した。成果と成功要因の共通点を示し、宿泊施設分野へのFM導入枠組みの提案に向けた知見を得た。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.622

熊本地震の被災市町村における災害公営住宅入居意向調査の実施状況

  • 著者: 米野 史健
  • 概要: 熊本県内12自治体の入居意向調査を対象者・調査方法・時期でタイムライン化し、設問を時系列で整理した。意向調査の基本手順と構造的特徴を明らかにした。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.634

細密航空LiDARと史料を用いた比叡山延暦寺三塔近世山坊の現地比定の試み(その1):西塔

  • 著者: 早川 紀朱,竹島 喜芳
  • 概要: 高解像度航空LiDARと史料を用い、徳川期の延暦寺(西塔地区)における失われた山坊の位置同定を行った。DEMと史料のパターンマッチングにより同定を確認し、山岳宗教コミュニティの配置解明への貢献が期待される。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.646

戦時期の建築行政官による定住地に関する議論

  • 著者: 常松 祐介
  • 概要: 戦時体制下で建築行政官が「定住地(settlement)」概念に注目した経緯と議論を整理した。ドイツのジードルング政策等を参照しながら、工場分散・労働者住宅供給の課題への対応として受容・展開した姿を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.658

明治時代前期の全国及び横浜における「鉄釘」の輸入数量、価額の検討

  • 著者: 平山 育男
  • 概要: 明治前期の鉄釘輸入統計について数値の検討を行った。全国統計にはnail-rodとnailsの混在があり分離が必要で、横浜統計も種類別の検討が必要であることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.670

前田家鎌倉別邸における洋館の建設時期とその経緯

  • 著者: 茶谷 亜矢,内田 青蔵,姜 明采
  • 概要: 前田家鎌倉別邸(1890年建設)を対象に、度重なる増改築の変容過程を整理した。洋館の建設プロセスを明らかにすることで、鎌倉別邸史・近代住宅変容史の双方への貢献を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.680

明治30年代の工部省再設置案について

  • 著者: 西山 雄大
  • 概要: 1902年の工部省再設置提案を取り上げ、営繕行政をめぐる対抗関係の中で建築を中心に据えた局構想が示された点や、1898年案との相違、旧工部省との連続性の欠如などを整理した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.688

和釘=角釘を造る材料として輸入された「nail-rod」の形態の実態と呼称について

  • 著者: 平山 育男
  • 概要: nail-rodの形態の実態(素材・長さ・束ね方・重量等)と国内での呼称を検討した。「長生鉄」「釘鉄」「釘竿」等の呼称が同時代資料に見られること、輸入期には確認しにくい名称もあることを整理した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.695

1933年のソ連旅行記に見る建築家サイモン・ブライネスの思想的変遷

  • 著者: 印牧 岳彦
  • 概要: 米国建築家ブライネスの1933年ソ連訪問を旅行記の分析を通じて検討した。科学的モダニズムからマルクス主義的視点への移行を背景に、ソ連経験がモダニズムと社会主義リアリズムの関係理解に与えた影響を示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.702

院政期の造営事業における陰陽道禁忌と日時勘申

  • 著者: 川部 佳奈
  • 概要: 春日西塔造営を事例に、造営の要所で陰陽師が日取りを提示したこと、方違え等の対策により禁忌へ対応しながら工事を遂行したこと、日取りの吉凶と方忌が連動して対策が決まったことを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.710

登録有形文化財(建造物)における建築設計者の改修手法

  • 著者: 岡 佑亮,奥田 修吾,豊島 祐樹,西野 辰哉
  • 概要: 登録有形文化財(建造物)45件の改修事例を分析し、改修手法を6類型・設計アプローチを4パターンに整理した。法規・機能要件が改修判断に与える影響も含め、保存と現代利用の両立を支える枠組みを提案した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aija.91.720

環境系論文

吹付けロックウールの炭酸化に関する研究

  • 著者: 乙茂内 郁美,杉野 雄亮,谷辺 徹,鈴木 淳一,新 大軌
  • 概要: 吹付けロックウールをCO₂固定材として捉え、TG-DTAで炭素固定性能を評価した。常温大気下で平均6か月に約50 kg/ton、供用期間を通じ平均130 kg/tonのCO₂固定を確認し、炭酸化が被覆鋼材の耐火性能へ与える影響が小さいことを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aije.91.136

循環器疾患による死亡と居住環境要因との関連

  • 著者: 河原 大樹,長谷川 兼一,松本 真一,竹内 仁哉
  • 概要: 全国統計を用い、循環器疾患死亡と住宅環境要因の関連をマルチレベルモデルで検討した。住宅の完成年代や高断熱窓の利用などが死亡率に影響することを確認し、適切な室内温熱環境の維持の重要性を示唆した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aije.91.148

北海道の学校教室における簡易型冷房機器による暑熱環境改善に関する研究

  • 著者: 佐々木 優二,村田 さやか
  • 概要: 北海道の高校教室でポータブル空調を用い、実測とアンケートにより温熱・快適性改善の要因を検討した。日射遮蔽が温熱環境と快適性を改善すること、空調の適切運用が快適性向上に寄与しうることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aije.91.154

環境系論文

吹付けロックウールの炭酸化に関する研究

  • 著者: 乙茂内 郁美,杉野 雄亮,谷辺 徹,鈴木 淳一,新 大軌
  • 概要: 吹付けロックウールをCO₂固定材として捉え、TG-DTAで炭素固定性能を評価した。常温大気下で平均6か月に約50 kg/ton、供用期間を通じ平均130 kg/tonのCO₂固定を確認し、炭酸化が被覆鋼材の耐火性能へ与える影響が小さいことを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aije.91.136

循環器疾患による死亡と居住環境要因との関連

  • 著者: 河原 大樹,長谷川 兼一,松本 真一,竹内 仁哉
  • 概要: 全国統計を用い、循環器疾患死亡と住宅環境要因の関連をマルチレベルモデルで検討した。住宅の完成年代や高断熱窓の利用などが死亡率に影響することを確認し、適切な室内温熱環境の維持の重要性を示唆した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aije.91.148

北海道の学校教室における簡易型冷房機器による暑熱環境改善に関する研究

  • 著者: 佐々木 優二,村田 さやか
  • 概要: 北海道の高校教室でポータブル空調を用い、実測とアンケートにより温熱・快適性改善の要因を検討した。日射遮蔽が温熱環境と快適性を改善すること、空調の適切運用が快適性向上に寄与しうることを示した。
  • DOI: https://doi.org/10.3130/aije.91.154
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