コラム

BIMを学ぶために必要な知識と学び方について解説

建設領域でDX推進が求められるなか、BIMの利用が今後進んでいくことは確実です。BIMを学んでみたいけどもどうしたら良いのか解説いたします。

BIMを学ぶために必要な知識とは?

BIMを学ぶために必要とされる知識には、「パソコンに関する知識・スキル」、「建設の知識」の2つがあります。

1.パソコンの知識

基本的なソフトの構成は、どのソフトにも共通の部分があります。一般的なソフトの使い方を理解しているとBIMの習得がスムーズに進みます。

2.建設の知識

BIMは土木分野、建築分野と幅広く使用されています。

これからどの分野で使用するかにより必要な知識は変わります。特に建築分野の場合、施工なのか設計なのか、そして設計の場合はさらに意匠・構造・設備のどの分野で使用するのかが明確になった段階で、その分野について学ぶ必要があります。これから使用する分野の最低限の専門用語を理解しておくことは必須です。なぜなら、指示をした時に、その意味が理解できない人に業務を依頼することは難しいからです。

ただし建設について先に学んでからでないとBIMを学ぶことはできない、ということはありません。一から学ぶ方は、専門分野についての基礎知識とBIMを並行して学ばれると良いでしょう。
注:土木分野といえばCIMのイメージがありますが、BIMソフトも使用されています。

CADの知識や経験については意見が分かれます。ただ、CADの知識がなくてもBIMを学ぶことは可能です。これから建設を学ぶ方は、CADを学ばずに最初からBIMを学んでも何の問題もありません。

もちろん、CADの使用経験が全くない人よりも使用経験のある人のほうがBIMソフトの習得はスムーズです。また実務でCADが全くできなくても良いかどうか、というと現在は少しでもCADの操作ができるほうが良いでしょう。

例えば敷地は二次元CADデータを元データとして取り込み、そのデータを元にBIMで入力をします。それ以外にもCADデータを取り込んで使用する場面がありますので、多少CADを使えるほうが便利なことがあるかも知れません。

BIMは独学でも学べるのか?BIMの学び方は?

BIMの学び方には大きく分けて

1.書籍で学ぶ
2.講習会に参加する
3.インターネットを活用して学ぶの三つの方法があります。

1.書籍で学ぶ

書籍で学ぶ場合のメリットは比較的安価で学べること、いつでも好きな時に学べることです。デメリットは、途中でわからないところが出てきた場合(例えば書籍と同じ画面にならない、どうやってその画面を表示すればよいかわからない等)、先に進めなくなることがあるかも知れません。身近に教えてもらえる人がいなければ、解決できない場合があります。

2.講習会に参加する

講習会のメリットは、直接講師の指導を受けられるということです。疑問点やちょっとしたトラブルも、その日のうちに解決することができます。デメリットは、時間を拘束される、会場に行く為の移動に時間が取られることです。また、近くに講習を受けられる場所がない場合は遠方まで移動する必要があるため、高額な交通費と場合によっては宿泊費がかかることもあるかも知れません。

3.インターネットを活用して学ぶ

インターネットを活用する場合は以下の3つの方法があります。

A.オンラインの講習に参加する
B.eラーニングの動画講座で学ぶ
C.YouTubeの講座で学ぶ

A.オンラインの講習に参加する

オンラインの講習のメリットは、移動時間がかからない、どこにいても受講ができることです。zoom等を使ったオンライン講習会が一般化したことで、今まで遠方の為に参加できなかった講習会への参加が可能になりました。デメリットは、講習のスピードについていけない場合があることです。通常の講習で特に短期の講習の場合は、複数人が受講し決められた時間内で決められたカリキュラムを実施する為、講習のスピードを参加者に合わせて調整することができません。その為、途中でついていけなくなることがあるかも知れません。そのような心配のある方は、少人数対応の講習やマンツーマンの講習を受講することをお勧めします。

B.eラーニングの動画講座で学ぶ

eラーニングの動画講座で学ぶメリットは、自分の好きな時間に学習ができる、何度でも繰り返し学習ができる、自分のペースに合わせて学習ができるということです。

eラーニングの講座はセクション毎に区切られているので、最初から順番に学習をしなくても、観たいところから視聴することができます。後から復習する場合も、そのセクションの最初から視聴ができるところが便利です。また、わからなかったこところを繰り返し再生したり、ペースが早ければ途中で動画を止めたり再生をしたり、再生の速度を選択して学習することもできます。

デメリットとしては、質問をした時に回答が返ってくるまでの時間のブランクが発生することや、いつでも自分のペースで学習できる為、自主的に学ばなければ講座を購入しただけで学ぶことなく終わってしまう可能性があります。そのような心配がある方は、オンライン講習を受講した方が良いかもしれません。

C.YouTubeの講座で学ぶ

YouTubeで学ぶメリットは、無料で学ぶことができる、いつでも好きな時に学べる、何度でも繰り返し学習ができる、再生の速度を選択して学習ができることです。デメリットとしては、質問ができない、自分が学びたい動画があるとは限らないことです。ブログを活用する場合についても同様のことが言えます。

最後に

BIMを学ぶために必要な知識と学び方について解説しました。日本は諸外国に比べBIM化が遅れていますが、今後数年の間に急速にBIM化が進んでいくことになるでしょう。

現在、BIMが使える人材は不足しています。いずれCADからBIMが標準になっていくことは明白ですが、人よりも先にBIMを習得することでチャンスを掴むことができるかも知れません。

執筆者

shiba
shibaさん
Digital Archi Creation代表。一級建築士。udemy講師。建築系専門学校講師。専門学校でのRevit指導137名(2016年4月~)+Lumionオンライン講習でRevit担当(2020年5月~9月)422名+uUdemyの受講者2020年12月より講座別受講者と企業向け講習と合わせて426名と累計985名。企業向けのファーストトレーニング(初級講習)も行っている。これから建築業界で活躍していきたい人を応援するために活動中。
Digital Archi Creation:https://shibatamai.com/

TechTrendsへのお問い合わせ