インタビュー

アパレル業界からエンジニアへ|たかいちさんに聞く独学の秘訣とエンジニア転職の実現方法

本記事では、「One Tap INF(ワンタップインフォメーション)」のブログオーナーであるたかいちさんにお話を伺いました。もともとは全く別の仕事をしながら、ネットに可能性を感じて独学でエンジニアになるための勉強を始めたというたかいちさん。どのように勉強してエンジニアになったのかや、苦労したことなどについてお話ししていただきました。

たかいちさん
X:https://twitter.com/k_sidebusiness
ブログ:「One Tap INF(ワンタップインフォメーション)

アパレルの仕事をしながら、独学でプログラミングを勉強

前職ではアパレル関係の関係の仕事をしていたんですが、2~3年前のその当時、テレワークができて収入も良いということで、副業としてプログラミングやエンジニアといった仕事が結構人気があったんです。もともと副業には興味がありましたし、もっと稼ぎたいとも思っていたので、エンジニアという仕事に興味を持ち勉強を始めました。

勉強は独学で、当初はWeb系のエンジニアになることを考えていたので、「ドットインストール」というサイトでHTMLやCSS、Javascriptなどの勉強をしていました。そしてポートフォリオとしてWEBサイトを作ってみて、という流れで進めていきました。

アパレルの仕事はシフト制で仕事の時間がバラバラだったので、平日も土日も仕事のない時間には勉強をしていたのですが、本業をしながらだったこともあり、Webサイトを自分で作れるようになるまでは2年弱かかりました。というのも、Webサイトを作るだけなら結構簡単にできるのですが、そこから公開するためにはサーバーなどの知識も必要になるんです。独学だったので、そこで結構混乱してしまい時間がかかりましたね。

ただ、スクールなどに通えばもっと早く、半年や1年くらいでできるようになるんじゃないかと思います。

エンジニアへの転職と会社選び

その後、転職エージェントの方にエンジニアの募集をかけている会社を紹介してもらい、作ったWEBサイトを実績として見せて面接も受けて、エンジニアとして就職しました。現在は会社に入ってちょうど2年くらいで、プログラムの間違ったところを修正していくようなデバッガ―の業務をメインにしています。

転職先を探す際、「教育制度が充実している」ことを中心に会社を選びました。会社によっては、「教育制度がしっかりしているから、ここで学んでくれ」みたいな感じのところもあるんですよ。なので、そうした制度を活用しながらスキルを身に着けることができるような会社を選びました。

入社してみて、動画形式や講師との対面形式などいろいろな教育があり、充実していることを実感しましたね。実際に制度を活用してPythonやJava、PHPなどを学びました。

ただ、一番勉強になるのはやっぱり実務ですね。実際にシステムを作っていくので、独学で学んでいた以上の情報が入ってきますし、先輩など周りの人が教えてくれるのですごく勉強になります。

独学のポイント

独学の際に気を付けていたことは、教材をたくさん買いすぎないことです。ひとつの教材で2周、3周と繰り返し勉強して、分からないところはネットで調べて掘り下げるようにしていました。そうすると、基礎がそのひとつの教材で固定されてぶれないですし、すごく頭に定着しやすいです。

また、基本情報技術者試験の勉強はしておいた方がいいと思います。IT関連の仕事をするうえでの基本で原点となる知識ですし、就職や転職の際にも役に立ちます。

 

プログラムの勉強はAIを使いながら手を動かす

実際にこうしてエンジニアとして働くようになって、実際にプログラムを書いてみるのがやっぱり一番勉強になると思いますね。どんなサービスやWEBサイトを作るかを軸に、「どんな言語を使うのか」「どんな技術が必要なのか」といった部分までどんどん深掘りしていくイメージです。

教材だと、文法の説明にしたがって書くだけ、みたいなものがあると思いますが、そうではなくて作るものを軸にして深ぼっていくのがおすすめです。

さらに、それに併せてAIも活用するべきだと思います。例えば「Xってどういう風に作られているの?」とChat GPTなどで聞いてみると、ファイル構造から全部説明してくれるんですよ。無料公開されているものでも、かなり的確な情報が返ってきますし、初心者の学習でも本当に基礎的な部分から教えてくれます。

それと同じように、「こういうサービスが作りたいんだけど」とAIに相談すれば、使う言語やファイル構造から、サービスを実行するためのファイルの実行方法まで教えてもらえるので、それを参考にしながら作っていくことができます。AIを活用しない手はないと思いますね。

独学で大変だったこと

自分で勉強していた当時はAIも無かったので、情報収集がものすごく大変でした。ネット上で公開されている動画教材などはたくさんありますが、実際にそれを参考にしてプログラムを書いたらどういうサービスが出来上がるかって、なかなかイメージできないんです。だからプログラミング言語をただ勉強しただけではサービスって作れないんですよね。

本来は、作りたいものをゴールにして、そこに必要な言語や技術を学んでいくのが良いのですが、最初はそれも知らなかったので言語から入っていたんです。なので、そこからどういうものができるのかや、どんなものが必要かなどの情報収集をして、ひとつのサービスとして形にしていくっていうのはすごく難しかったです。

そんな中でも、使っていたドットインストールには「○○を作ってみよう」といった教材があったので、それをとっかかりにして深ぼっていくようにはしていました。

独学でも勉強を続けられた理由

本業をしながら独学で勉強し続けるうえで、「自分がこうありたい姿」はすごく後押しになりました。エンジニアの何がすごいかっていうと、スキルひとつでお金を生み出せることだと思うんです。僕の理想像はまさに、個人のスキルだけでお金を生み出していくことなので、そのイメージそのものがモチベーションになっていましたね。

同時に、自己啓発などのモチベーション関連の書籍も読んでいて、どうしてもやる気が出ないようなときには頼っていました。おすすめはチャールズ・デュヒッグ氏の著書『習慣の力 The Power of Habit』です。結構分厚いんですが、何度も重版されているような人気の書籍です。

エンジニアの仕事の面白さ

勉強でも実務でも、プログラムをいじっていくと必ずバグが出るんですよ。そうならない方法を自分で見つけて修正できた時は、「この考え方で良かったんだ」と、ものすごく達成感を感じますね。

また、ひとつのシステムを構築するにあたって、例えば「AのサービスにBの機能を新しくインストールしたい」という時、何もせずそのままインストールするとAが崩れちゃうんです。そこをデバッグしたり組み合わせたりして解決できた時には嬉しくて、すごくやりがいを感じます。

IT業界の可能性を感じて

少し抽象的な表現ではありますが、もともとネットに可能性を感じて、スキル1つで稼ぐことを目指してエンジニアになりました。実際にIT業界に入ってみて、AIが発達してエンジニアやプログラマの仕事がなくなる可能性を考えるよりも、さらにAIを活用しようという流れを強く感じています。そういう意味で、エンジニアになる前も、エンジニアになってからもIT業界にはさらに可能性を感じています。

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