業界動向

GPT Storeとは?オリジナルGPTsを販売できるチャンス到来

OpenAI社は、特定の目的に沿って作成されたGPTを、人々が共有できるプラットフォーム「GPT Store」を、2024年1月10日(現地時間)に全世界に公開しました。現在は有料ユーザーであれば無料でアプリを入手できますが、将来的にアプリを利用した人数により収益を得られるシステムの導入が予定されており、自作のGPTをGPT Storeに出品すれば稼げる時代が、すぐそこまで来ています。
本記事では、GPT Storeについて解説します。

そもそもGPTsとは?

GPTsとは、指示や拡張された知識、行動を組み合わせて構築された、ChatGPTのカスタマイズ版です。ChatGPTがジャンルを問わずに何でも対応できるのに比べて、GPTsは執筆、ゲーム、コーディング、イラスト生成など、1つのジャンルに特化しています。

コーディングの必要はなく、ChatGPTでテキストを入力するだけでGPTsを構築できますが、より専門的に変更することも可能です。構築後のGPTsは、GPT Storeに一度登録されると検索できるようになります。

GPT Storeとは?

GPT Storeとは、目的やタスクに特化したGPTsを閲覧・検索・使用したり、オリジナルのGPTを作成・共有できたりするプラットフォームです。もともとは2023年11月にリリースされる予定でしたが、現CEOのサム・アルトマンの取締役解任および復帰をはじめとした、OpenAIの騒動が原因で2ヶ月延期されました。

GPT StoreにはGPTを作るための独自の機能が備わっていて、使いたい人にとっても個人の興味に合わせて、GPTsが多数揃っています。

MyGPTとGPT作成

今までは「chat.openai.com/create」で行っていた、ChatGPTのカスタマイズ機能と自作のGPTにアクセスできる機能です。これまでのインターフェースとやや変わっていますが、GPT作成機能に関する変更はありません。

  • 私のGPTs:これまで自作したGPTを閲覧・編集できる
  • GPTを作成する:直接GPT作成画面にジャンプできる

GPTを作成


まず、先ほど紹介した以下サイトにアクセスをします。
https://chat.openai.com/gpts

その後画面右上にあるGPTを作成するをクリックします。

するとGPT Buliderが立ち上がります。
GPT Buliderに指示を出してGPTを作成することもできます。

Configureのタブをクリックすると詳しい設定ができます。
アイコン、GPTの説明、GPTへの指示などを入力します。

<入力事項>

アイコン(自作の画像またはDALL・Eにロゴを作成のいずれかを選択できる)、名前、説明(短い文と長い文)、GPTに取ってもらいたいアクションなど

プロフィール確認と公開設定

GPTの構築が完了したらGPTsの公開に進みます。
GPT Storeで自作のGPTsを公開するためには、プロフィールの入力など、いくつかの設定が必要です。

「保存」ボタンに隠れている、3つの選択肢

構築後のGPTsを保存する際、次の3つから選べます。

  • 私だけ(作成者のみアクセス可能)
  • リンクを持つ人のみ(リンクを知っている人なら誰でも)
  • 公開(GPT Storeで公開)

このうち、「リンクを持つ人のみ」と「公開」に関しては、ビルダープロフィールの設定画面が表示されます。

ビルダープロフィールを整える

ビルダープロフィール(Builder Profile)は公開・共有されているGPTに適用されます。「保存」ボタンを押して、立方体マーク右上の鉛筆マークをクリックします

ビルダープロフィールに関連付けたいドメイン(ウェブサイト)を入力します。現時点では、自作のGPTに対して、付与できる認証済みのドメインは1つのみで、自分の名前またはウェブサイトドメインのいずれかです。メールアドレスを登録していれば、「フィードバックをメールで受け取る」という項目があり、クリックするとユーザーから寄せられたフィードバックをメールで受け取れます。

(画像上から:アプリのアイコン、アプリの名前、作成者名)

なお、入力したビルダープロフィールの実際の表示を、プレビュー画面から確認できます。

GPTを共有するための必要条件

開発者プロファイル情報の入力

GPTsを共有するには、「Create」タブで作成したGPTsを保存し、「Configure」タブを開きます。ここで、GPTの公開に必要な情報を入力します。
※詳しくは先ほど説明した「GPTを作成」を参照

公開前に最新の「Usage policies」と「Brand Guideline」を確認

他社のロゴの使用禁止、名称に人を侮辱するような言葉を使わないなど、OpenAIが設けている「Usage policies」と「Brand Guideline」を遵守していることを確認します。ここで決められている条件に違反している箇所があれば、公開前に行われる審査に通らない可能性があります。

作成したGPTを保存し、GPTsの公開範囲を「リンクを持つ人のみ」または「公開」ボタンから選んでクリックすれば、GPT Storeに公開されます。

GPT Storeの機能と特徴

GPT Storeには、便利な機能やツールが豊富に備わっています。

検索機能

300万以上あるGPTsの中から、英単語や日本語で探したいアプリを検索できる機能です。日本語で検索する場合、やや難解な日本語だと上手く目的のアプリがヒットしないこともあるようで、ChatGPTからの回答を引き出すのと同様に、正しい回答を得るためには文言を優しいものにする、「Japanese」のワードも入れるなど、少しコツが必要です。

ちなみに、GPTsを検索したときにGPTsの名の下に出てくる吹き出しマークは、ユーザーの利用数を表しています。

カテゴリによるフィルタリング

ユーザーが簡単にアプリにアクセスできるよう、公開されているGPTsは次の8つのカテゴリに分かれています。各カテゴリには常時10以上のアプリが表示されており、ユーザー数の変動などにより毎週変わります。

 

  • Top Picks:ChatGPTが今週おすすめするアプリ。3つの部門に分けて紹介している。
    • Featured:注目してほしいアプリ

    • Trending:ユーザーに人気があったアプリ
    • By ChatGPT:ChatGPT Teamが作成したアプリ
    • DALL·E:テキストからイラストを生成できる

    • Writing:ブログから社内文書に至るまで、さまざまなシーンでの文章作成をサポートするためのツール

    • Productivity:生産性向上のツール

    • Research & Analysis:論文を検索したり、分析したりできるツール

    • Programming:コードを書いたり、作成したコードをテストしたりできるツール
    • Education:新しいアイデアを得たり、英語学習など学びたいことを学べたりするツール
    • Lifestyle:読書や音楽、旅行など、趣味や日常生活を楽しむためのツール

Global Viewボタン

パソコンのブラウザのみ存在するボタンで、サイドメニューとメインページの間に表示されている地球儀のアイコンをクリックすると、全世界のおすすめのアプリ(Global View ON)と、日本でのおすすめのアプリ(Global View OFF)がそれぞれ表示されるようです。

フィードバック

個人で作成したアプリに備わっている機能です。実際にGPTsを使った感想や意見を、作成者にコメントできます。

報告機能

フィードバック機能の下にある、不適切なアプリを報告できる機能です。報告の際には、不適切だと思う理由を、以下の3つから選びます。

  • このコンテンツは違法または不法である
  • 有害または安全でない
  • その他の理由

OpenAIは、GPTが利用ポリシーとブランドガイドラインに沿ってユーザーからレビューされるようにしました。ChatGPTやGPTを使った詐欺行為や成人向けの有害なコンテンツの生成・共有を禁止しています。また、GPTビルダーが自身について明らかにすることで、作成者とユーザーの相互信頼関係が構築できるようにしています。

ユーザーインターフェースと操作性

パソコンとスマートフォンのブラウザとでは、インターフェースがやや異なります。GPT Storeにアクセスするには、パソコンのブラウザの場合左のサイドメニューから「Explore GPTs」をクリックします。スマートフォンの場合は左上に表示されているメニューアイコンをタップし、「Explore GPTs」からアクセスできます。さらに、スマートフォンアプリからはChatGPT同様に音声入力も可能です。

MyGPTとGPT作成

今までは「chat.openai.com/create」で行っていた、ChatGPTのカスタマイズ機能と自作のGPTにアクセスできる機能です。これまでのインターフェースとやや変わっていますが、GPT作成機能に関する変更はありません。

  • 私のGPTs:これまで自作したGPTを閲覧・編集できる
  • GPTを作成する:直接GPT作成画面にジャンプできる

GPTsを販売する方法とは

現時点では無料でアプリを共有できますが、GPTのユーザーエンゲージメントに基づいて収益が支払われる、GPTビルダーの収益化に関するプログラムの導入を、GPT Storeのローンチから3ヶ月以内にアメリカからスタートするとの公式発表がありました。今後、GPTsを公開すれば、利用者数に基づいて収益が支払われるようになります。

 

参考記事:

Introducing the GPT Store

Introducing GPTs