インタビュー

最新技術についていくなら、まずは楽しむーデータサイエンティストを目指す大学生の情報収集術

本記事では、大学に通いながらデータサイエンティストを目指して邁進するA7さんにお話を伺いました。チャットボットコンテスト優勝や「SIGNATE Student Cup 2023」にて ChatGPT部門 SIGNATE賞&特別賞受賞などの功績をもち、若手技術者として技術を発揮しながらも、目標に向けて資格取得等の勉強も惜しまないA7さん。普段どのように情報に触れているのかや、意識していることなどについて教えていただきました。

A7さん
X:https://twitter.com/A7_data

「データサイエンティストを目指す大学生」

私は現在大学4年生で、「データサイエンティストを目指す大学生」として一昨年ごろから勉強を始めました。統計検定やデータサイエンス検定など、データサイエンス系の資格取得に取り組みながら、もう一方でデータサイエンティストとして働く上で必要なエンジニア力やビジネス力を養うために、長期インターンに参加したり、自分でプログラムを書いて簡単なサービスを作ってみたりしています。

勉強していることは割と幅広いのですが、特にAI分野における深層学習や、統計の因果推論の勉強をしています。今は卒業論文で忙しくなかなかできていないのですが、開発をしたり、Kaggle(カグル)というデータサイエンスのコンペティションに参加したりもしたいな、と思っているところです。

A7さんの情報収集術

情報収集はほとんどXで、たまにYouTubeも見ますね。なるべく楽をしたいという思いがあるので、収集媒体は絞っているんです。それに、XにはQiitaやYoutubeの動画、ニュース記事や企業のブログ記事など、様々な媒体の情報が「こういうのあったよ」といろいろな人を通して集約されてくるのでXだけで十分だと思っています。

Xはアルゴリズム的に、ブックマークやいいね、リポストなどのアクションをするたび、自分の好みが伝わって、興味があるものでタイムラインを染められるので、積極的に反応するようにしています。

特によく見るアカウントはこちらの方々です。
・ホーダチさん:https://twitter.com/hokazuya
・元木大介さん:https://twitter.com/ai_syacho
・ChatGPT研究所さん:https://twitter.com/ctgptlb
・ハヤシ シュンスケさん:https://twitter.com/openagi_lab
・からあげさん:https://twitter.com/karaage0703
・チャエンさん:https://twitter.com/masahirochaen
・Shota Nukumizuさん:https://twitter.com/Nameless_SN
・木内翔大さん:https://twitter.com/shota7180

YouTubeも同じように自分の見た動画に応じてレコメンドされるので、そこから面白そうな動画を見に行くこともありますし、自分で動画を探すこともあります。例えば、統計の新しい分野を学ぶ際に、まずYouTubeで動画を検索して全体像をぱっと使うのに使ったり、ChatGPTの最近の海外の動向を調べたりなどです。

そうして情報に触れる中で気になる情報を見つけたときは、Notionのデータベースを活用しています。
Chromeの拡張機能で、「Save to Notion」という、ChromeのページをNotionのデータベースに登録できるものがあるんです。それを使って、面白そうだと思った情報をNotionのデータベースに一つにまとめて、時間のある時に見返しています。

”残る情報”を追う

情報は、なんでもかんでも最新のものを追えばいいというわけではないと思っています。情報はどんどん出てきては消えていって、結局役に立たないものが大半です。もちろん、一部のものが残ってはいきますが、最新のものだけを完璧に追う必要はないのではないかと思います。

そんな中でも、コスパ良く”残る情報”を選定するのが良いと思います。例えば、最新の情報をXで発信してくれる方が、1週間経ってもまだそのことを言っていたら追う、みたいに。

消えるかもしれないものにまでアンテナを張って追っていくよりも、生き残りそうなものだけを見るっていうのも一つの方法だと思います。全ての情報を追うことはできないですし、そうでなくても情報があふれているので、そうして情報を精査することも大切だと思います。

流れについていく一番の秘訣は「楽しむ」

流れの速い業界で最新の技術や情報についていくためには、「楽しむ」ことが一番だと思います。
特に生成AI関連では「3日前の情報が古い」と言われるくらい、すごい速さで毎日情報がアップデートされているので、ついていくだけですごく大変です。

それだけ忙しい中で、「情報収集しなきゃいけない」という気持ちでやっていると、なかなか続きません。そうではなく、「楽しいからどんどん知りたい」という気持ちでやればそれが全てなんじゃないかと思っています。そう思えば肩の力を抜いて、日々の合間で情報に触れ「面白そうだな」と情報を追っていくだけで、自然と最新技術にはついていけると思います。

私はただその楽しむ気持ちで日々動いています。新しくうまれてくるものや技術って、人類の英知が詰まっているじゃないですか。新しいものは、今まであったもののどこかしらを改善したものなので、新しいものを見ればどこがダメだったのかが分かったり、深層学習の分野で言えば、わずかな工夫で精度がぐんと上がっていたり。

それらを純粋に「すごいな」と楽しむ気持ちもありますし、そうした人類の英智みたいなものに触れられること自体、楽しいと感じますね。

成長を止めないためにモチベーション管理を

技術者として成長を続けるために、モチベーションの維持を意識にしています。成長って、しなくても生きてはいけますし、すぐやめてしまうこともできるので、モチベーションを管理して維持することが大切だと考えているんです。

そのためにいま行っているのが、Xでの発信と、定期的な資格受験です。モチベーションを保つには、目に見える記録や数字をつくることが有用だと思います。例えばXのフォロワー数やいいね数であったり、TOEICの点数であったり、そういう数字として現れるものからは頑張っている感覚を得られますね。また、資格受験は成長を測る客観的な指標にもなるので、それによって成長を実感することもできています。

このように、定期的に数字や指標として努力や成長を感じる機会をつくることが、モチベーションを維持の秘訣です。

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