インタビュー

化学系メーカーからエンジニアへの転身|けーじぇーさんが語るエンジニアへの道のりとその楽しさ

本記事では、Youtubeチャンネル「けーじぇー / 英語×IT StudyVlog」で、ご自身のITや英語の勉強の様子などを発信しているけーじぇーさんにお話を伺いました。新卒で入社した会社で働いてみて得た気づきから、未経験でのエンジニア転職を決めたけーじぇーさん。お話をする中で、IT業界で働くことを非常に楽しんでいるように見えました。どうしてエンジニアになったのか、どのようにエンジニアを楽しんでいるのか、それまでにどんな努力や苦労があったのか、教えていただきました。

化学系メーカーからエンジニアへの転身

未経験からエンジニアに転職して2年半になります。現在はプロジェクトマネージャーとしてWebアプリ開発に携わっており、開発自体もしてはいますが、エンジニアのマネジメントをメインに仕事をしています。言語としては、フロントエンドはReactやTypeScriptなど、バックエンドではPythonなどを扱っています。

現在はこうしてフロントからバックまで比較的フルスタックに技術を扱えるようになりましたが、エンジニアになる前は全く違う仕事をしていました。もともと大学院で化学を専攻していたので、そのまま化学系のメーカーに就職し、工場の製造マネジメント職として工場で何を作るかなどの計画を立てるといった仕事です。学生の頃も仕事でも全くITには触れてこず、完全未経験でのエンジニア転職でした。

未経験からエンジニアになろうと決めた理由は大きく2つあります。1つは、ITの知識があれば、課題や問題を根本から変えることができるのではないかと思ったからです。

以前していた製造マネジメント職では、「工場をもっと効率化しよう」という目標に向けて仕事をしていました。でも、特別ITに強いわけでもないメーカーの人たちがする効率化なので、当然限界がありました。エクセルで頑張ってマクロを組んでみるなどするものの、一時的な対処になって根本的な解決ができず、結局なかなか効率化できなかったんです。そうしたことから、もっと仕組みの根本から変えていかないといけないと思っていて、「もし、ITの知識があってシステムを作れたら、こういうことも根本から解決できるんだろうな」という思いを抱いていました。

もう1つが、今後の自分の市場価値です。以前勤めていた会社はすごくニッチな製品を作っていて世界トップのシェアだったのですが、その製品に詳しくなっても知識を生かせる場所が他にはありませんでした。今後さらに変化の激しい時代だと言われているのに、市場価値を伸ばしづらいのはどうなんだろう、という疑問を抱く中で、IT業界ならそういった心配はないのではないかと考え、転職を決めました。

会社選びは研修と将来像から

転職するうえでの会社選びの観点は「研修制度」と「現場経験」でした。今の会社は未経験者にもしっかりした研修制度があったんです。実際、3ヶ月ほどの研修があり、最初の2ヶ月で基礎を学んだのち、最後の1ヶ月で実際にWebアプリを作る、といった流れで一通り学びました。

また、エンジニアとして現場経験を積みたいと考えていたので、それができる会社かどうかも選ぶ基準として持っていました。というのも、将来的にはばりばりコードを書くエンジニアというよりは、実際の開発現場を知った上でマネジメントができるようになりたいという目標があるからです。そのため、まずは開発経験が積める会社に行きたいと思っており、今の会社ならそれができると分かったので選びました。

スキルアップのための勉強とモチベーション

転職前はITパスポートの資格を取りました。ただ、それが転職で有利になったとは感じておらず、あくまでも基礎的な知識をつける意味で勉強していました。内定をもらった後も、Progateで少し遊んでみたくらいで、しっかりITの勉強を始めたのは入社後でした。

研修を終えてエンジニアとして仕事をするようになってからは、結構勉強した方だと思っています。平日は朝5時に起きて2,3 時間勉強してから仕事をして、終わってからまた1時間ほどプログラミングや勉強をしたりしてきました。僕はとにかく勉強量で勝負するタイプなので、しっかりその時間を確保することを意識していて、その日の気分や試験の有無や時期によって技術書を読んだり、資格の勉強をしたり、プログラミングをしたりしていました。そうやって日々勉強して、入社後に基本情報技術者と応用情報技術者、AWSの資格を6個ほど取得しました。

こうして勉強を続けてきたモチベーションは、正直なところお給料を上げたいという思いがまずありましたね(笑)1社目のメーカーは結構大きい会社だったのですが、今の会社はそうではないので、年収が200万ぐらい下がったんです。ちょっときつかったのですが、実力主義の会社で頑張った分お給料が上がるので、とにかく早く成長して早くお給料上げたいという思いがありました。実際に早く成長することができたのもあり、2年でマネージャーまで上がれたのだとも思います。

それまでになかった、仕事をするほどレベルアップする楽しさ

エンジニアという職に就いてみて面白いと感じる部分は結構あるのですが、やっぱり1番は仕事を通じて勉強になっているところですね。バグに対応したり機能を開発したり、いろいろする中でその一つ一つが自分のスキルアップにつながるんです。そうして身に着けたスキルは他の案件でも生きることがあると思いますし、仕事を通じてどんどんレベルアップしている感覚みたいなものがあってすごく楽しく、成長を感じます。

こうした感覚は前職にはなかったと思います。前の仕事では「これは何のためにしてるんだろう」と思ったり、あまり成長を感じられなかったりしたんです。大変なことももちろんありますが、満足度はすごく高くなりました。

あと、もともと”何かを作る”というそのプロセスが好きなのも、面白いと感じている理由の一つだと思います。前職のハードからシステムというソフトに変わっただけで、結局ものづくりですから。いつか、個人開発で実際にサービスリリースしてみたいと思っています。エンジニアになってサービスを自分で作れるようになったので、実際に作ってユーザーに使ってもらう、という経験ができたら楽しそうだな、という希望を持っています。

大変なことにもコツコツ努力を積み重ねて

未経験だからこその苦労もたくさんありました。やっぱり最初は先輩エンジニアの言葉が分からなくて会話についていけなかったり、今なら5分でできるような簡単なコードの修正に丸1日かかったり。コードの海に溺れたみたいな感覚があって、自分はセンスがないのかな、と思った時が正直ありました。

でも、業務に少しずつ慣れてきたり、仕事でわからなかったところを持ち帰って家で調べて予習した上で次の日の仕事に臨んだり、といったことをコツコツしていくうちに分かるようになっていきました。

マネージャーになった今は、エンジニア一人一人を尊重しながら1つのシステムを作り上げなければいけない、という課題に直面しています。現在のプロジェクトは、日本と海外のエンジニアの混成チームで動いているので、言葉や環境も異なる中でそれぞれの個性や考え方を尊重してシステムを作る必要があり、すごく難しいし、工夫が必要だと日々感じています。

目標や将来像を見据えてのキャリア選択を

実際に未経験からエンジニアになってみて、IT業界に入りさえすればあとはどうにでもなると個人的には感じました。ただ、未経験だと入る時は少し大変かもしれないと思います。SNSで相談を受けることがあるのですが、未経験だとなかなかエンジニアの仕事をさせてもらえなかったり、営業をしないといけない会社もあるみたいです。なので、目標や将来像に合った会社選びが大事なのだと思います。

エンジニアと一口に言っても色々種類があるので、せめてどういうシステムに携わりたいのかや、スペシャリストを目指すのか、マネジメントを目指すのかなど、ぼんやりでもいいので長期的な目標や将来像があった方がいいと思います。逆に、ないと迷子になってしまいます。

でも、一度IT業界に入ってしまえば、経験やキャリアを積んでキャリアアップやキャリアチェンジはすごくしやすいと思います。実は来年転職することが決まっていて、次はSIerとしてプライムベンダーに当てはまる結構大きな会社に入ることになっているんです。僕の場合は、ずっと IT業界で生きていくことにはなると思いますが、マネジメント寄りで、コードを書くのは徐々に減っていくことになりそうです。

これからITへ飛び込みたいあなたへ

IT業界に入りさえすれば、自分の取り組みや努力次第でいくらでもキャリアが広がるし、やりたい仕事や生き方もできると思います。例えば、海外で働くとか、フリーランスになるとか、プロフェッショナルとして生きていくとか、選択肢は本当に無限大です。

実際、僕自身も何もできない状態からまだ2年半ですが、一部上場の企業から内定をもらってキャリアを積んでいくこともできているので、本当に努力次第でいくらでも道が開けると思います。なかなかこんな業界は無いと思うので、もし挑戦しようか迷ってる人がいたらぜひ頑張ってみて欲しいと思います。